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【計算してみた】ふるさと納税と住宅ローン減税の併用

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 ファイナンシャルプランナーとして相談を受けていると、年末が近づいてくるにつれてふるさと納税に関する話題g増えてきます。その中でも、住宅ローン減税を受けていてもふるさと納税ができるのかという質問を多くもらうので解説します。

もくじ

ふるさと納税と住宅ローン減税の併用は可能

 結論からいうと、併用は可能です。詳しい税額の計算については税理士業務となりますので税理士にお任せします。ここではファイナンシャルプランナーとして一般的な話として進めていきます。家計の状況によっては条件が違うこともありますので注意してください。

住宅ローン減税とは

減税制度の仕組み

・毎年の住宅ローン残高の1%を所得税から控除
・所得税から控除しきれない分は住民税から控除
・住宅ローンを利用する個人からの申請を行う
・2019年10月1日以降は消費税増税に伴い、期間が10年間から13年間に延長された

 例えば、年末の住宅ローン残高が3,000万円ある場合は所得税が最大30万円控除されます。所得税から控除しきれなければ住民税から最大163,500円控除されるので、平均的な年収600万円くらいのサラリーマンが3,500万円の30年間の住宅ローンを組んだとすれば、10年間で270万円程度の減税を受けられます。住宅ローン金利の支払い額以上のリターンがあるので、2021年末には見直しが示唆されて話題となりました。
 消費税が10%となり13年間の控除となりましたが、これは増税分と差引すると特にお得になるわけではありません。

 住宅ローン減税の適用は10年以上のローンを利用して自らが居住する住居を購入した場合に限り、年間の控除上限額は40万円です。
 住宅ローン控除の申請は初年度1回目のみ会社に申請 (借り換えの場合は再申請が必要)して年末調整で控除されていますが、年末調整のみで確定申告を行わない場合(多くのサラリーマンに該当するはず)にはふるさと納税はワンストップ特例の対象になりますので、手続きも簡単です。

ふるさと納税と住宅ローン減税は控除されるタイミングが違う

 確定申告を行った場合、ふるさと納税は課税所得から寄附金控除として直接控除されます。ふるさと納税で控除を受けた課税所得によって所得税が計算され、計算された所得税から住宅ローン減税分が控除されます。

 住宅ローン減税1年目は確定申告を行うこととなるので、こちらが適用されます。計算上では年収600万円、家族は妻と子2人の一般的なサラリーマン家庭ならば、住宅ローン減税があろうとなかろうとほとんどふるさと納税の上限額(概ね60,000円程度)に差はありません。
 ワンストップ申請制度を利用した場合はふるさと納税分は住民税から控除が行われます。つまり、住宅ローン減税で所得税から引ききれなかった分+ふるさと納税が住民税を超えなければ、ふるさと納税を行った方がお得になります。
 この場合、前年の住民税と所得税を確認して、住民税の残額がいくらになるかを確認すれば良いのですが、先ほどの条件の一般的なサラリーマン家庭ならば、ほとんど住宅ローン減税の影響は無視できるでしょう。

ふるさと納税するとすまい給付金や高校無償化の対象に?

 ふるさと納税を利用すると課税所得が減少するため、都道府県民税の所得割額が低くなります。所得割額が低くなるとすまい給付金や高校無償化の対象範囲内になることがあります。
 なんと、ふるさと納税を行って自己負担2,000円で返礼品をもらっているのに、さらに住宅を買う際にはすまい給付金が支給され、高校も無償化されたりするのです。制度上の問題とはいえ、ふるさと納税が金持ち優遇施策と呼ばれるゆえんです。
 収入が低いためにふるさと納税できない人より、そこそこの収入があってふるさと納税した人の方が、行政区分上は所得が低い扱いになる矛盾が生まれています。